初めてマウスに触れる方には、その操作を、
「つまようじ1本でそうめんを食べるよりは、かんたんです」
と申し上げています。実際に食べたことはありませんが、たぶんかなりやっかいで、もどかしい思いをすると思います。
練習すればできるようにはなるでしょうが、マウスが思うように動かせないと、そんな気持ちになるのではないかと思いまして。
コンピュータをマウスで操るには、数ピクセルしかないマウスカーソルの先っぽを望みの位置に移動させ、正確なタイミングで望む回数だけクリックし、しかもそれらをマウスを固定したまま、あるいは動かしながら、行わなければなりません。
初めての方には、技術的なことだけでなく、心理的なハードルも高いようです。
なので私は、まず最初にさわってもらう前に、古いタイプのボール駆動マウスを分解し、中身を見てもらうことにしています。
ボールを取り出し、空いた空間に指を入れると、X方向とY方向の駆動ローラーを確認することができます。
そして、ローラーを指でくるくるこするように回すと、マウスカーソルが水平方向にだけ、あるいは垂直方向だけに動くのを画面上に見ることができます。
ボールを再びはめ込んで、マウスを机上で動かしてみます。するとマウスカーソルも画面上で円を描く。
ここで必ず「おおっ!」と声が漏れますので、すかさずマウスの発明者を賞賛します。
この瞬間に生徒さんにとってマウスは、なんだかわけの分からないブラックボックスではなくなり、トンカチやバールや栓抜きなどと同様、人類の叡智が生んだ便利な道具と映るわけです。
レーザーマウスの説明は「これが進化したんです。ローラーのホコリを取る手間もなくなりましたからね」という程度ですっ飛ばしますが、こうやって分解して見せてみると、少なくとも機械そのものへの抵抗感はだいぶ小さくなってくるはず。
――という話をしていたら、妻が「ところてん(心太)は、割り箸1本で食べるものなのよ」と。中京圏の人には、そっちのたとえのほうがいいかもしれませんね。
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